そもそも防災の日は、関東大震災にちなんで国が制定しているものだとご存じでしょうか?8月30日から9月5日までは防災週間とされているため、学校や会社で防災訓練が行われることが多い傾向にあります。防災訓練ではAEDを使用した訓練を行うこともありますが、AEDの認知度は実際どの程度のものなのでしょうか?
あなたのAED(自動体外式除細動器)に対する知識に関してもっとも近いものはどれですか?
AEDという言葉は知っており、見たこともある 64.4%
AEDという言葉は知っているが、見たことはない 23.8%
AEDという言葉は知らない 11.8%
約88%の方が「AEDの存在を知っている」という結果となりました。
もしも家族が目の前で倒れたら、あなたはAEDを使うことができると思いますか?
そう思う 13.0%
ややそう思う 23・9%
あまりそう思わない 33.6%
そう思わない 29.5%
こちらの問いに対しては、約35%の方が「使うことができる」と回答する結果に。一方、約65%の方は「使うことができない」と回答しています。
もしも知らない人が目の前で倒れたら、あなたはAEDを使うことができると思いますか?
そう思う 10.0%
ややそう思う 20.9%
あまりそう思わない 33.4%
そう思わない 35.7%
こちらの問いに対しては、「使うことができる」と回答した方が約30%、「使うことができない」回答した方は約70%を占める結果となりました。
相手が家族か知らない人かで影響は少ないようです。
主なコメントをご紹介します。
「使うことができる」派
講習を受けているから
研修で実際の使用方法を実技で行っているので、できると思うし、やらなければいけないと思う(70代男性)
何度か講習を受講しており、使用することで助かる確率が上がることも理解しているので、可能な限り使用する」(60代男性)
勉強してから、AEDの設置場所など確認したり、意識していることが多いので(70代女性)
研修や講習などで実際にAEDの使用方法を学んでいるという声が多くあがりました。中には実際に使用したことがある、という方も。
音声ガイドがあるから
音声ガイダンスに従って操作すれば、意外と簡単にできる(60代男性)
そんなに難しい操作でもなく、説明書や説明音声が流れたりするので問題なく使えると思う(40代男性)
機械が自動音声でやり方など説明してくれるので(40代女性)
まだ触ったことはないが、とても丁寧な音声説明があると聞いたから何とかなるのではないかと思う(60代女性)
AEDの音声ガイドや説明書に沿って操作すればできる、という声も多く見受けられました。
医療従事者だから
看護師であり、緊急な処置が必要な患者に対応したことがあるので(60代女性)
医療従事者の方や、ほかにも警備関係の仕事に就いているという声もあがりました。
テレビで観たことがあるから
最近テレビの番組でAEDの使い方を観ていたので、実際にそういった状況で近くにAEDがあれば、対処できると思います(40代男性)
習ったことはないがテレビで観たことがあり、開けると使用順序が分かるようになっているらしいので(70代女性)
テレビで観たことがある、という声もちらほら。
「使うことができない」派
使い方がわからないから
操作方法を知らないのでむやみに使用できない(50代男性)
AEDがどのようなものなのかは知っているが、使用方法などについてはまったく知らないので正しく使うことができない。(70代女性)
使い方が分からないので、説明を聞いても上手にできるとは思えない(50代女性)
使い方がわからない、という方がもっとも多く見受けられました。中には、使い方自体がわからないため、音声ガイドを聞いたり、手順の説明書を見ても正しく対応できるか自信がない、という方も。
冷静でいられる状況ではないから
使って助けたい気持ちはあるが、使い方はテレビを通じてしか知らず、実際に教わったわけではないので、動揺している状態で使えるとは思わない(70代女性)
三度くらい講習を受けたが・・・実践では慌てて使うことができるか心配(70代男性)
いざとなると自分がパニックになり使い方がわからなくなると思う(50代女性)
冷静でいられる状況ではないからできない、という声も多くあがりました。間に合わなかったら…という不安に駆られ、慌てることも相まって動けなくなりそう、という方もいました。
自信がないから
居住しているマンションに設置されているので、役員をしているときに講習会があり、一度練習を行ったが、そのときから期間も過ぎ、上手くできるかどうかまったく自信がない。何度か続けて練習しないと覚えられない(70代女性)
咄嗟に行動できる自信はない。救急車を呼ぶので精一杯だと思う(30代女性)
咄嗟に行動することや、正しい使い方ができる自信がない、という方も見受けられました。
責任を持てないから
知らずに確信を持てないまま機器を使って、もし使い方を間違えたりして却って悪化させたり助かるものも助からなかったりすると怖いので、トライする気持ちになりにくい。一度でも見たり使った経験があれば必死でトライするかもしれない(70代女性)
命に関わる行動をすることに責任が持てない、という声も。中には、倒れたのが知らない人の場合、持病などがあったら怖い、という方も見受けられました。
AEDはペースメーカーを装着している人の場合は機械から3cm以上離してパッドをつければ問題がないとされていますし、たとえば心臓病であったとしても、心肺停止の状況ではAEDを使用する必要があると考えられています。そのため、ペースメーカーや持病が問題になることがありません。 また、対象が妊娠している女性でも使用は可能です。
セクハラを疑われたくないから
下手に関わってセクハラを疑われたら面倒だから(50代男性)
女性に使うのはためらう。後にセクハラで訴えられそうだから(30代男性)
倒れているのが女性の場合、AEDを使用してセクハラや痴漢の誤解を受けたくない、という男性からの声もちらほら。中には、「実際に逮捕された人がいた」など誤った認識を持っている方も。現実では、1万件以上のAED使用事案の中で訴訟が起きた事例はゼロとされています。
AEDの認知度は高いとはいえ、実際に使用するとなると知らない人はもちろん、家族であっても使うことに自信がない、という方が多いことがわかりました。
「自信がない」という考えの背景には、AEDに対する知識不足や誤った認識もありそうです。最近のAEDは、音声ガイダンスにあわせ、液晶表示機能もつけて聴覚障害をもたれている方のためにも使いやすいように各種改善、工夫がされているものもあります。
また大人に使う成人モード、小学生以下に使う際の小児モードへの切替などもイラスト、音声で丁寧にガイドしてくれています。
防災週間に行われる訓練で、正しい知識を身につけつつ、人命最優先で救助にのぞみましょう。
■調査概要
調査期間:2022/08/08〜2022/08/16 |
調査方法:インターネット調査 |
調査対象:全国の男女 |
モニター提供元:株式会社ドゥ・ハウス/myアンケートlight |
調査人数:1,117名 |
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