心筋梗塞など突然の心停止はいつでも、誰でも起こりうること。日本では毎日多くの人が命を失っており、1年間で約7.9万人と言われています。こうした人の命を救うため、2004年からは一般市民がAEDを使用できるようになり、これまでは医師しか行えなかった電気ショックという治療が一次救命の段階で可能になりました。
AEDを使うことによって、使わない場合と比べると救命率は約2倍に上昇するという研究結果も出ている反面、男性が見知らぬ女性に対してAEDを使うことがセクハラになるのではないか、というような論争も起きています。
目の前で知らない女性が倒れているとき、AEDを使用することに抵抗を感じますか?

性別は関係なく、必要であればAEDを使う 61.4%
できれば女性には使いたくないと感じる 29.4%
女性であればAEDは使わない 9.2%
男性には上記の質問内容でアンケートを実施したところ、約6割の方が「性別に関係なく、必要であればAEDを使う」と回答する結果になりました。
一方、5人に2人という約4割が「できれば女性には使いたくないと感じる」と回答しています。
「性別に関係なく、必要であればAEDを使う」派
少しのためらいが生死に関わってくるから(30代男性)
人が命の危機であるとき、性別を気にする方がおかしいから(30代男性)
人の生死がかかわっている緊急事態に性別は関係ない、という声がもっとも多くあがりました。一刻も早い対応が求められる中で、性別による少しの躊躇が生死に関わるという声見受けられました。
目の前で倒れた人がいてAED処置が必要ならば助けたいと思うができるならほかの女性の人と一緒にやりたいと思う(60代男性)
周りにいる女性と協力したり、女性にお願いするという声もあがりました。必要であればAEDを使いたいけれど、可能であれば女性と一緒に…と考える方も多いようです。
セクハラ扱いされないように身体への接触を慎重に行えば問題ないと思う。万が一セクハラ扱いされて裁判沙汰になったら正々堂々戦います(30代男性)
緊急の場合には着衣の上からでよければ対応する(70代男性)
衣服を脱がせなくても、金属製の物をずらして装着することができる(70代男性)
人を集め壁を作るとか、自分の上着で胸部をカバーするとかそれくらいしかできない(60代男性)
AEDは電源を入れてから2枚のパッドを素肌に貼る手順がありますが、服をすべて脱がせる必要はなく、下着をずらして貼ることでも対応できます。また、パッドを貼ったあとは上から服などをかけて肌を隠すようにしても、AEDの機能には影響はありません。このような知識があり、女性に配慮をしながら対応するという男性からの声もあがりました。
「できれば女性には使いたくないと感じる」派
肌に貼らなければならないので、服を脱がす・まくるのを躊躇すると思う(50代男性)
女性の服を脱がせることや、身体に触ることに抵抗があるという声が多くあがりました。
その女性が助かった後、男性にAEDを使用されるのは嫌だったなどと言われてトラブルになるのが嫌だから(30代男性)
AEDを使ったことにより、女性からセクハラや痴漢などの疑いをかけられる可能性があるから、という声も多く見受けられました。
そもそも、性的意図がない場合は、女性にAEDを使ったことによって訴訟されることはありません。
とはいえ、そういった事実を知らないとリスクを考えて、できれば女性には使いたくない、と感じてしまうのではないでしょうか。
また、
使い方を知らないから男女問わず使わない(50代男性)
そもそも使い方がわからないという理由をあげる人もちらほら。
AEDの正しい使用方法について、もっと普及する必要性があるのではないでしょうか。
前述のとおり、AEDは服をすべて脱がさずに、下着をずらして貼ることが可能ですし、パッドを貼った後には服などを上からかけて肌を隠しても問題はありません。こういった事実を周知することも大切ですね。
有事の際には、女性への配慮をしながら、周囲の人たちと協力して人命救助を優先しましょう。
■調査概要
調査期間:2022/08/08〜2022/08/16 |
調査方法:インターネット調査 |
調査対象:全国の男性 |
モニター提供元:株式会社ドゥ・ハウス/myアンケートlight |
調査人数:544名 |
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