9月1日は関東大震災が起きた日であることから、防災の日として国から定められています。そして、関東大震災以上の未曾有の大災害といわれている、東日本大震災からすでに11年が経ちました。11年という長い月日を経て、防災意識に変化はあるのでしょうか?
東日本大震災直後のあなたの防災意識を5としたとき、現在の防災意識の高さはどれくらいだと思いますか?
防災意識は低い(0〜4) 33.9%
防災意識は変わらない(5) 31.5%
防災意識は高い(6〜10) 34.6%
「防災意識が低い」と回答した方は33.9%、「変わらないと回答した方」が31.5%、「防災意識が高い」と回答した方が34.6%という結果になりました。0〜10までの11段階で見ると、「変わらない」という5が31.5%でもっとも多くを占めています。
年代別で見てみると、60代以上のシニアの方のうち約44%が「防災意識が高まった」と回答していました。
地域別では、「変わらない」と回答した方の割合がもっとも多かったのは、38.8%の近畿エリアで、九州・沖縄エリアが25.9%でもっとも低いという結果に。
「防災意識が上がった」割合がもっとも多かった地域は、42.0%の関東エリアでした。
また、北海道・東北エリアから近畿エリアにかけては、防災意識が上がった割合が、下がった割合よりも多い、もしくは少なくても大きな差がない、という傾向にありました。
しかし、中国エリアから九州・沖縄エリアにかけては、上がった割合よりも下がった割合の方が10%前後多い結果となりました。事実は別として、一般的に九州や沖縄では地震が少ない、という考えが根付いているのかもしれません。
主なコメントをご紹介します。
防災意識が下がったのはコロナの影響も?!
アンケートのタイトルを見て、コロナ予防対策はしてるが、防災対策は力いれてないな、と思った(40代女性・愛媛県・「1(低い)と回答」)
喉元過ぎれば熱さを忘れるで段々意識が低くなっています。それではいけないとわかっているのですが、今はコロナに翻弄される日々にいっぱいいっぱいです(50代女性・東京都・「2(低い)と回答」)
コロナ流行に気を取られてしまって、少し薄れていた(50代女性・埼玉県・「3(低い)と回答」)
コロナ禍であることを、防災意識の低下の理由にあげる声も目立ちました。
コロナ対策に気を取られたり、コロナ禍に翻弄されている今は、防災意識を高く持つのは難しいことなのかもしれません。
大きな災害があるたびに危機意識は一時的に高まるが、日が経つにつれどうしても下がっていくのは否めない。もっと危機意識を持って生活しないといけないなと感じる。ただ、意識と行動が伴っていない(60代以上女性・和歌山県・「3(低い)」と回答)
喉元過ぎれば熱さを忘れるで、あんなに怖い思いをしたのにすっかり忘れてしまって、今も悲しい思いをしている人も多くいるのに反省です。少しづつでも準備していきたいと思います」(60代以上女性・兵庫県・「2(低い)」と回答)
やはり11年という年月が経ち、危機意識が薄れているという方が多く見受けられました。
経験していないのと、災害の少ない地域に住んでいるためだと思うが、明日は我が身という気持ちを持たなくては…と今思う(60代以上女性・石川県・「2(低い)と回答」)
他県は災害が多いけど自分の住んでる所は少ないので、気が緩んでいる。次は我が身、と気を引き締め生活したいと思います(50代女性・京都府・「4(低い)と回答」)
災害が少ない地域に住んでいることや、最近自分が住んでいる地域で地震がないことをあげる声も。
東日本大震災を経験していないから、という声も見受けられました。
乾パンやビスケットなどの補充ができてません(50代男性・愛知県・「3(低い)と回答」)
震災後常備していた保存食を、賞味期限を見つつ食べ終えたまま、補充をしていない。トイレットペーパーのような、消費期限のないものは以前からストックしているので、防災を意識してるほどではないのかもしれない(50代女性・静岡県・「3(低い)と回答」)
保存食の補充ができていないことを理由にあげ、意識が低下しているという声も。
備蓄品のスペース確保や、ローリングストックで備えすぎてしまった際の家計への負担が問題だという声も見受けられました。
防災意識に変化はないが、常備用防災グッズに変化あり
2週間分のローリングストックは続けているし、職場やよく出かける先から歩いて帰る経路は把握している。避難用にキャンプグッズ系もそろえてきているが、気持ちの面ではやや警戒は下がってしまっているので差し引き同じ程度(40代男性・神奈川県・「5(変わらない)と回答」)
いつも笛と携帯用ギンギラマットと充電器を持って外出しています(50代女性・東京都・「5(変わらない)と回答」)
東日本大震災直後から変わりなく、防災対策を日々続けているという声があがりました。
中には、いつも外出するときは防災グッズを携帯している、という方も。
東日本大震災ほどではなくとも、定期的に各地で地震が起こっているため、その度に気を引き締めており、意識はあまり変化なし(40代女性・愛知県・「5(変わらない)と回答」)
あちこちで大きな地震があり、水害や土砂災害なども多く起きているので怖いです(50代女性・北海道・「5(変わらない)と回答」)
定期的に各地で災害が起きていることを理由にあげる声もあがりました。
ニュースなどで災害の様子を見ると他人事ではなくなり、意識を保つことにつながるのではないでしょうか。
震災直後に、ヘルメットや簡易トイレセット、非常食など準備しました。コロナ感染予防にマスクの量を増やしたくらいです(60代女性・愛知県・「5(変わらない)と回答」)
年数が経って分かる事が増えた。コロナで備えも変わった(40代女性・東京都・「5(変わらない)と回答」)
防災グッズにコロナ対策グッズを追加するなど、備えるものが変化したという声も目立ちました。
防災意識は変わらないと回答した方たちにとっても、コロナ禍の影響は大きいようです。
防災意識が上がった方たちは、ペットの防災対策も万全
5年保存できる水やパン、ごはんを備えています。コロナになってしまったときにも使えます!(40代女性・愛知県・「6(高い)と回答」)
最近の頻繁な地震により、さらに意識が高まった。水・食料・トイレットペーパー・簡易トイレ・ガスボンベ・電池など1週間分は備えたつもり(60代以上女性・東京都・「8(高い)と回答」)
防災グッズ、防災食の準備はするようになりました。引越しの際は、川が近くにないことや、住所に水関連の名前のある所は避けるなどは意識するようになりました(40代女性・東京都・「8(高い)と回答」)
家具など転倒防止対策をしたり、扉が揺れなどで開かないように金具を取り付けたりした(60代以上女性・東京都・「8(高い)と回答」)
徹底して防災グッズを準備したり、家具の転倒防止などの対策をしているという声が目立ちました。
中には、頻繁に起きている地震の影響で意識が高まっているという声も。
また、コロナに感染し外出できないときに、防災対策で買っておいた保存食が役立つ、という声も見受けられました。
震災のときに、いろいろ買い込んで嫁実家のレスキューに向かったが、やはり備えは超重要と痛感。水と水を保存するタンク、保存食は必須。その後、自宅でも防災セット買ったり、水と水タンク、非常食を常備したり、ソーラーパネルと充電システム、寝袋、あと防災グッズにもなるソロキャンプ用品を揃えている(50代男性・福岡県・「8(高い)と回答」)
店頭から商品がなくなり、お店に入るにも待ち時間が発生し、今までのなくなったら買うから、ある程度の備蓄を用意するようになりました。また、枕元には靴、ライト、笛を置いたり、急に慌てないように持出袋を用意したり、かなり意識は高くなりました(40代女性・埼玉県・「10(高い)と回答」)
震災当時の記憶を忘れることなく、さらに防災意識が上がっている、という声も。
ペットがいるので避難所を利用出来ない場合を想定。簡易トイレやティッシュ類、水やモバイルバッテリー、寝袋などを常備しています(50代女性・宮崎県・「7(高い)と回答」)
ペット用の備蓄や避難用具も考えるようになりました(50代女性・東京都・「7(高い)と回答」)
自分のことだけでなく、ペットをどう守るかということも考えて救急講習会に参加した。防災グッズも用意してあり、普段から備蓄もするよう心がけるようになった(50代女性・山梨県・「8(高い)と回答)
防災意識が上がったという回答をした方たちの中には、ペットの心配をしている声も目立ちました。
避難所でのペットの対応は自治体や避難所によってまちまちなため、それを想定した対策をしているという方も。
東日本大震災という大きな震災から、もう11年という長い歳月が流れました。
長い月日によって防災意識が薄れる人の方が多いかと思いきや、防災意識が上がっている人は同等、もしくは多くなっているようです。
また、コロナ禍は防災意識にも大きな影響を及ぼしていることもわかりました。
コロナ禍の生活で余裕がなくなり、防災意識が低下したということだけでなく、常備しておく防災グッズにマスクなどコロナ対策用品を追加したという変化も見られました。
南海トラフ地震は数十年のうちに起こる確率が高いと予測されていますし、引き続き防災意識を保ち、できる準備をしておきましょう。
■調査概要
調査期間:2022/08/08〜2022/08/16 |
調査方法:インターネット調査 |
調査対象:全国の男女 |
モニター提供元:株式会社ドゥ・ハウス/myアンケートlight |
調査人数:1,117名 |
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