2000年代後半より用いられ始めた「ブラック企業」とそれの対義語として生まれた「ホワイト企業」というふたつの言葉は、よく耳にする身近な言葉なのではないでしょうか。
あなたの会社は次のうちどれだと思いますか?
ホワイト企業だと思う 18.3 %
ふつうだと思う 65.1 %
ブラック企業だと思う 16.6 %
65.1%の人が「ふつうだと思う」と回答し、「ホワイト企業だと思う」が18.3%、「ブラック企業だと思う」が16.6%を占める結果になりました。
世の中の3分の2の人が自分の勤める会社をふつうの企業と考え、そして残りがホワイト企業とブラック企業に半々に分かれていることがわかりました。
主なコメントとともにご紹介します。
ふつうだと思う派
可もなく不可もなく…ブラックでもホワイトでもない
ホワイトではないけどブラックでもないから(30代女性)
いわゆるパープル企業なんだと思う。給与はあがらず、スキルアップもしないが、最低限の保証はある(20代男性)
可もなく不可もなく、パワハラやセクハラの話も聞いたことがないから(50代女性)
「ブラックでもホワイトでもないから」という声が多くあがりました。
中には、ブラック企業とホワイト企業の中間にあるとされている「パープル企業」である、という声も。
パープル企業とは、仕事は楽ですが、自身が成長できない「ゆるブラック企業」ともいわれています。
残業代はしっかり支払ってくれるが、休日は取りづらいところもあるので普通かなと思う(50代男性)
残業時間が多いわけでもなく大体は定時で帰れる。その分給料安いから普通だと思う(40代男性)
残業が少なかったり休みは取りやすいけど、給料が安いため普通、という声も多く見受けられました。
ブラックの特徴であるノルマやサービス残業がない
福利厚生がしっかりしているから。サービス残業がないから(30代女性)
ブラック企業の特徴である、サービス残業や常識を超えたノルマなどがないため、という声も多くあがりました。
ブラックではないから普通、という認識を持っている人が多いようです。
あることをきっかけにブラックから改善
過去はブラック体質だったが、世の中の流れにいい顔しようと会社がなびき始めたから(50代男性)
昔はブラックだったけど、まぁマシになってきてると思う(40代男性)
それなりに残業があるが、会社全体として改善する気風がある(40代男性)
自分でやらないと誰も助けてくれないが、やっている分にはそんなに残業もないし、昔労基がきたので残業代もちゃんとでるので(30代男性)
以前はブラックだったけれど、改善されてふつうになった、という声も見受けられました。
働き方改革の影響や、労働基準監督署の立ち入りがあり改善された会社が多いようです。
ホワイト企業だと思う派
定時で帰れて休みもとれるし、給与面でも満足!
給与面、休暇制度、職務内容、納得ができるから(60代男性)
定時で帰れる、事務なのに給料が高い、ボーナスもそこそこもらえる(20代女性)
休暇が多く、有給休暇が取りやすい、残業管理が厳しい(40代女性)
プライベートを優先できる。休める。ハラスメントがない(30代男性)
福利厚生がしっかりしている。有休取得が推奨され、ほぼ希望通りの取得が可能。テレワーク推奨で労働時間も短く、給与もしっかり支払われている。服装も自由(40代男性)
SDGsに基いて労働時間や福利厚生などきちんと厳守している働きやすい職場づくりを目指している企業だと思うから(40代男性)
ホワイト企業の特徴である、
- 残業が少ない
- 給与が高い
- 福利厚生が手厚い
- 有休を取得しやすい
といった点をあげる声が多くあがりました。
コンプライアンス意識が高い!何かあったら即通報
コンプライアンス順守のための委員会があったり、外部通報の仕組みが整っているから(60代男性)
時差出勤制度可能。パワハラなどもない。ハラスメントをしたら通報できるシステムがあり、通報された側は、二度と浮かび上がれないから(50代男性)
コンプライアンスを理由にあげる声も見受けられました。
コンプライアンスが守られていることもホワイト企業の特徴であり、社内で問題が起きた際の解決方法が決まっていることも重要なポイントのひとつです。
労働施策総合推進法においてハラスメント対策が義務づけられていることから、通報窓口を設置する企業も増えています。
「ホワイト500」を取得している
転職前はブラック企業だった。サービス残業150h/月以上。ボーナスもまともに出ない。いやがらせ、叱責はいつもだった。転職後は残業管理が徹底しており、ごまかすと役員以下の指導が入る。ボーナスは5.5カ月分だし、パワハラが起きると即上司や関係者がフォローするようになっている。ホワイト500を取得している。天と地を知っているため(40代男性)
勤務先が実際に「ホワイト500」を取得しているから、という声も。
ホワイト500(健康経営優良法人)とは、日本健康会議が認定をおこなっている制度のひとつで、従業員の健康管理と企業の経営管理の両立を目指す健康経営を実践している法人として認定される制度のことを指します。
ブラック企業だと思う派
サービス残業、休みが取れない、ハラスメント…ブラック企業でしかない?!
転勤なしという求人だったが、入ってみたら雇用契約書には、転勤ありと書かれていた。サービス残業が多い(30代男性)
福利厚生が整っていない。休日が全然ない。お客様からのクレームはこれでもかというくらい来てしまう。職場の空気が最悪。ハラスメントは当たり前(20代男性)
『本日金曜はノー残業デー!』という札が毎日出ていて形骸化していると感じるし、残業も80時間にどう収めるかを考えているから(30代男性)
残業代を認めない。そのくせ、上位職は仕事をしない(40代男性)
サービス残業が普通になっていて、有休があっても取りにくいシステムになっているから。何より社長がパワハラだから(40代女性)
残業をすればするほど、会社に貢献していると評価されること。夏休みや年末年始、そのほかの連休の前日には、休み中いつ出勤できるか聞かれるなど、休日にも出勤を強制される。『ほかの会社が休んでいるときこそウチは稼働する』という社長の考え方(40代男性)
残業代をつけにくい雰囲気を醸し出す上司(50代男性)
有給休暇は労基違反で年10日以上増えない。社長のお気に入りは給料があがるけど、それ以外は何年働いても昇級なし(60代女性)
ブラック企業の特徴である、
- パワハラなどのハラスメント行為が横行
- 法令に違反する長時間労働の強制
- 残業代などの賃金不払
をあげる声がもっとも多くあがりました。
中には、過労死ラインとされている月80時間の残業が常態化してしまっているという声も。
───いかがでしたか。
今回の調査の結果、世の中の3分の1の人が自分の勤める会社をブラック企業、もしくはホワイト企業だと感じていることがわかりました。
働き方改革が推進される今、ブラック企業が当たり前だった時代は過去のものとされています。
厚生労働省において、ブラック企業についての定義はありません。
一般的な特徴としては、極端な長時間労働やノルマを課したり、賃金不払い残業やハラスメント行為が横行しているといった点があげられます。
ご自身の勤務先がブラック企業だと思っている方は、外部の関係機関や労働組合に相談してみてはいかがでしょう。
■調査概要
調査期間:2022/09/09〜2022/09/12 |
調査方法:インターネット調査 |
調査対象:全国の男女会社員 |
モニター提供元:株式会社ドゥ・ハウス/myアンケートlight |
調査人数:404名 |
|