2019年4月1日より施行された「働き方改革」は、「長時間労働の是正」「正規・非正規間の格差解消」「多様で柔軟な働き方の実現」の3本の柱をもとに成り立っています。
2020年に行われたHR総研の調査によると、8割以上の企業が「働き方改革」に取り組んでいることが発表されていますが、世の中の会社員の方たちはどのように感じているのでしょうか?
あなたの勤めている会社では「働き方改革」を行なっていますか?
はい 51.0%
いいえ 49.0%
「はい」と回答した人が51.0%、「いいえ」と回答した人は49.0%という結果となりました。
半数の人が勤めている会社では、働き方改革が行われていることがわかりました。
続いて、「はい」と回答した人197名に以下の内容でアンケートを実施しました。
「働き方改革」によって、あなたの業務時間はどう変わりましたか?
増えた 14.2%
変わらない 67.5%
減った 18.3%
「増えた」と回答した人が14.2%、「変わらない」と回答した人が67.5%、「減った」と回答した人が18.3%という結果となりました。
7割弱の人が働き方改革が行われても、業務時間は変わっていないことが判明しました。
それぞれの意見をみてみましょう。
働き方改革が行われても「業務時間は変わらない」派
形だけの改革?!業務量は変わっていないから
形だけの改革で、納期も仕事量も人員も変わらないので、当たり前の結果です(50代男性)
業務の棚卸しもせずに、時間管理だけされ、人も増やして貰えないのに、どうして仕事量が減るというのでしょう(50代男性)
リモートワークになったけど…
少なくともリモートワークで在宅勤務が増えるなどの変化はあるが、勤務時間という観点ではあまり変わっていないと思う(50代男性)
「働く場所が寛容になったりしているが、業務内容自体は変わっていないから」(30代男性)
有給休暇が増えたけど…
有給を多く取れるようになったが、その分早出、残業が増え、結果前より忙しくなった(50代女性)
働き方改革により、「業務時間は増えた」派
特定の人にしわ寄せが…
特定の人に仕事が偏ってしまい、残業が増えた(40代男性)
仕事のやり方を変えても業務量削減は不可能
仕事のやり方を少しずつ変えてはいるが、極端な業務量削減ができない現状がある。逆に今いる人数で業務を回すことで負担が増えている(40代男性)
働き方改革により、「業務時間は減った」派
リモートワークの導入で効率的になった
在宅勤務が増えて効率的に働けるようになった(50代男性)
リモートワークも一般化し、移動時間の節約など、効果は大きかった。時間の有効活用や時短勤務が実現できたと思う。ただし、対人コミュニケーションが減った分、微妙なニュアンスが伝わりにくいなどのデメリットも浮上している(60代男性)
業務が効率化されたから
無駄な業務を減らすようになり、残業も減った(30代女性)
残業が減ったから
定時退社デーなどを設けてメリハリをつけるようになった(50代男性)
とにかく残業させなくなった。残業を取り締まるようになったが業務量は変わらないので、結果一日の中で終わらせなければならないことが増えハードなだけ。一見改善されたように見えるが、ハードだと思うのが働き手側の本音(50代女性)
今回の調査では、半数の人の会社で働き方改革が行われているものの、7割弱は勤務時間は変わっていないことが判明しました。
働き方改革の一環として残業時間を管理する一方で、業務量は変わらず、人員も増えない…となると、当然の結果だといえそうです。
根本的な改革をしないことには、雇われる側にとって「働き方改革は形だけだ」という印象を与え続けることになるのではないでしょうか。
■調査概要
調査期間:2022/12/22〜2022/12/25 |
調査方法:インターネット調査 |
調査対象:全国の会社員の男女 |
モニター提供元:株式会社ドゥ・ハウス/myアンケートlight |
調査人数:386名 |
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