私たちは、入院中の子どもに付き添う家族の心身の健康を守ることは、病気の子どもが安心して治療を受けられる権利を保障するために必要なことであり、子供のより早い回復に貢献すると考えています。
過酷な環境にある付き添い家族への生活支援を通し、病気や障がいをもつ子どもを抱えながらも、その家族らしく子育てを楽しみ、そうした親子を地域で支えられる社会の実現を目指しています。
キープ・ママ・スマイリング理事長の光原様にお話を伺いました。
私たちは、2014年の団体設立以来、入院中の子どもを育てるご家族を支える活動を行ってきました。
この活動の原点となっているのは、私の付き添い体験です。
初めての出産と同時に病児の母となり、いくつもの病院で子どもの長期入院に付き添う中、食事や睡眠を十分にとることができず、倒れた経験がありました。 周りを見渡すと自分と同じように心身を疲弊した親が少なくなく、病児の母となって初めて付き添い生活の過酷さを知りました。
「どのような状況に置かれても、安心して病気の子どもに向き合えるよう、付き添い家族のセーフティネットになりたい」。私たちはこの目標に向かって、付き添い家族を支えるさまざまな活動に取り組んできました。
子どもが病気というだけでも辛く、苦しい。そんな家族に対して私たちは「あなたは決して一人じゃない」というメッセージを届けつづけます。
画像提供:NPO法人キープ・ママ・スマイリング
厚生労働省の患者調査(令和2年)によると、入院する子ども(0~14歳)の数は年間2万2,400人。
私たちが現在、支援を届けられているのは、病室に泊まり込んで付き添っているご家族が主であり、しかも入院期間が中期・長期のかたが対象です。
一方で、入院する子どものご家族の中には、病院のルールや家族の事情などから長期にわたり「面会」に通い続けるご家族も大勢います。
面会には、付き添い入院とはまた違った苦しさがあります。 小児がんや心臓病などの重い病気は、質の高い医療を提供するために医療スタッフや設備が整った拠点病院に患児を集めることが医療政策的に行われており、自宅から遠く離れた病院で治療を受けるのが一般的になってきています。
そのため、片道2〜3時間かけて面会に通うご家族も存在します。ですが、面会に通い続けなければならない家族にもまた、公的な支援はほぼありません。
これまで私たちは、付き添い入院の家族と同じように長期間お子さんが入院し、日々面会に通うご家族への支援を届けることができずにいましたが、団体設立10年の今年、長期面会に対する支援をスタートすることといたしました。
治療以外の不安や負担を少しでも軽減できるよう、ぜひ皆さまの力をお貸しください。
写真提供:NPO法人キープ・ママ・スマイリング
子どもの入院に付き添う家族への直接支援の実績は以下の通りです。
付き添い者への「食」支援:
東京都中央区・文京区・世田谷区、佐賀県佐賀市で、医療機関がある地域の飲食店と協働して温かい食事を届ける「お弁当deスマイリング」事業
「付き添い生活応援パック」無償配付事業の実施:
食品、衛生・生活用品を詰め合わせた「付き添い生活応援パック」を10日以上の入院に付き添う保護者に無償配付(当事者からの申込み制)。年間3,000名を支援。
「つきそい応援団」掲示板サイトの運営:
付き添い入院に役立つさまざまな生活情報を掲載したクチコミサイトを運営。付き添い先輩ママやパパたちの「知恵」や「知見」を、同じ境遇に置かれたご家族の「安心」と「笑顔」に変えるメディア。月間ユーザ数は約8000人。
写真提供:NPO法人キープ・ママ・スマイリング
―モラタメ会員にメッセージをお願いします。
設立から10年、これまで食事や付き添い生活応援パックを届け、約2万名に及ぶご家族への直接支援を行なってまいりました。
これからも付き添い入院においては、付き添う親の環境を支援すること、そして、面会においては、安心して親が面会に通えるように支援することに尽力してまいります。
また、全国の小児科を有する医療機関の皆さまと緊密に連携し、親が安心して入院中の子どもに付き添えるよう、食事や睡眠環境の改善に向けた支援により一層注力し、入院中の子どもたちの速やかな回復と健やかな成長・発達に貢献してまいります。
一人でも多くのご家族の笑顔を支えていくため、皆さまのあたたかなご支援を心からお願い申し上げます。
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